直球が遅いのに打たれない投手の秘密

直球がそこまで速くないのになぜか打たれない投手がいます。

 

 

それどころか、三振すら多く取っています。

 

 

そして、三振時にはほとんどボールの下を振ってしまう投手。

 

 

 

上原投手、

 

杉内投手、

 

髙橋朋己投手、

 

星野伸之投手、

 

 

 

直球がもともと速いですが、それ以上に速く感じる投手といえば、

 

 

則本投手、

 

金子投手、

 

江川投手、

 

ランディージョンソン投手 などが代表格でしょうか。

 

 

直球が生きる3つの特徴

直球が打たれない投手の多くは、3つのうちいずれかの特徴が備わっています。

 

 

複数の特徴を備えた投手もいます。

 

 

その3つの特徴とは、

 

 

 

①効果的な変化球

 

②球速とギャップのあるフォーム

 

③リリースポイントとリリースタイミングが見にくいフォーム

 

 

です。

 

 

①の、「変化球に意識を持たせれば直球が生きる」というのは、

 

 

良く聞く話なので、②と③について説明します。

②球速とギャップのあるフォーム

 

球速とフォームにギャップがあると、かなりタイミングが取りづらくなります。

 

 

例えば、そこらへんにいる普通の小学生とキャッチボールをしているとき、

 

 

ふにゃふにゃしたフォームで80km/hくらいで投げていたのに、

 

 

同じフォームからいきなり130km/hを投げてきたら、

 

 

かなりびっくりすると思います。

 

 

おそらく、覚悟して待っている150kmよりも速く感じるはずです。

 

 

 

 

私たちは、無意識に、これまでの経験から、投球前の動きで球速を予測しています。

 

 

なので、速い球だと分かっていても、フォームが遅そうなら

 

 

「遅い球が来る」と身体が反応してしまうわけです。

 

 

そして、毎度のように振り遅れ、

 

 

軌道の予測も外れてボールは上を通過、下を振ってしまうわけです。

 

 

 

これは、人間というより、動物に広く備わった仕組みのようです。

 

 

例えば、飼い犬に、エサを見せた後、投げるフリをすると、

 

 

実際には何も投げてないのに、キョロキョロあたりを探し回ります。

 

 

つまり、相手の動きから得られる情報がかなり影響しているということです。

 

 

この仕組みは、動きを見てからでは反応が間に合わないような、

 

 

素早い動きのものへ対応する仕組みとして身についたものなのでしょう。

 

 

バッターも同じで、

 

 

ボールを目視する精度を高めるために、

 

 

投手の動きからリリースタイミングと球速を予測していて、

 

 

その予測が狂うことによって速く感じたり遅く感じたりするわけです。

標準的な投手のタイミング

投手が前脚をあげ、

 

ワンテンポ置き、

 

並進運動をしながらテイクバックし、

 

接地しながら腕が外旋し、

 

胴が回転してから腕が出てきて、

 

ボールが飛んでくる。

 

 

 

という、一連の動き・テンポの平均ようなものが、

 

 

バッターの中にはインプットされています。

 

 

それは、それまでの経験などで形成されているものです。

 

 

バッターによって人それぞれ少しずつ異なるものの、

 

 

おおよその共通イメージのようなものはあります。

 

 

それがどういったフォームかと言えば、

 

 

有名なところでは大谷投手でしょうか。

 

 

球速はとても速いものの、オーソドックスなテンポとフォームのためか、

 

 

直球と分かっていれば、割と簡単に当てられる場面が目立ちます。

 

 

分かっていても打たれない球という感じではありません。

 

 

こういった「標準フォーム」からテンポやフォームがずれているほど、

 

 

バッターにとっては厄介な存在となります。

共通する部分、それぞれ違う部分

直球を振り遅れる投手の共通する部分としては、

 

 

腕のしならせ方(腕が外旋し始め~外旋が最大になる部分)が、特徴的なことです。

 

 

しならせ方が小さくて速いことがほとんどです。

 

 

 

例えば、星野投手は、腕をたたんでほとんど動かしません。

 

 

 

 

高橋朋己投手は、直前までほとんど外旋しないまま腕が出てきて、

 

 

このままじゃ投げれないんじゃないか?と思うあたりまで腕が来てからようやく外旋を起こします。

 

 

あまりにも一瞬過ぎて、いつ外旋しているのかわからないくらいです。

 

 

ですが、これはトリックで、並進運動と胴の前傾の流れの中で

 

 

身体と腕のポジショニングを調整し、うまく外旋を作り出しているのです。

 

 

もちろん、バッターからこれは見えず、いつボールが発射されるのか予測困難です。

 

 

・一般的な若手投手の腕の使い方、その①

 

・その②

 

・高橋投手

 

 

腕のしなるタイミング(特に最大外旋時)やリズムが、特に2人目の投手と違うのがわかると思います。

 

一般的な投手は、腕の動きが全体的に大きくて多く、最大外旋時に一瞬腕が止まる瞬間があるのがわかります。

 

高橋投手は、腕の動きが小さくて少なく、最後の最後だけの腕の振りでいきなり球が出て行く感じです。

 

 

 

 

 

(未定稿)