腰・骨盤という言葉の勘違い
野球の指導者で、よく「腰を回せ」とか「骨盤を動かせ」という人がいます。
骨盤というのは腰にある大きな骨の集まりです。
この大きな骨から上に背骨がついていて、下には2つの脚がついています。
見てお分かりのように、骨盤自体が自由に動いたりはしません。
(一応、仙骨と腸骨の間に仙腸関節というのがありますが、こちらについては別途書きます。)
ほとんどの場合、脚と股関節の動きに連動して、腰が相対的に動いたように見えるだけです。
なので、腰を回すという言葉は、イメージを伝えるためにあえてそう教えるのはアリなのですが、腰を回すこと自体はよくよく考えるとできないのです。
なのに、必死になって腰を回すことにこだわる人がたくさんいます。
さらに、「腰」という用語が曲者で、一般的には腰というとこのあたりをイメージする人が多いのです。
腰というと腰痛のイメージが強いからですね。ここって厳密に言えば背中なんですよ。背中の下です。
腰を回せといわれると、大体の人は背中の下とお腹をまわそうしておかしい動きになります。
背中の下なんて動かないし、全然大事な場所じゃないんですから。
本当に動かさなければいけないのは股関節です。
実際やってみればわかりますが、身体の内部感覚では、かなり下のほうです。おしりの先のとがった骨くらいのところです。
股関節を伸ばしてあげて、反力などを脚からスムーズに上半身に伝えることが大事です。
これができない動きをへっぴり腰といったりします。
ここのところではまっている人が多いので気をつけましょう。